彼女ノ写真

でも、そうなんだ。僕は取り違えていた。本当に大切な物を見失っていた。見誤っていた。




彼女の写真なんて、どうだっていいじゃないか!一番大切なのは、彼女そのものだ!!




何、凝り固まってたんだ!バカ過ぎだ、僕は!!!!!




形なんてどうでもいい!言葉なんてどうでもいい!記憶があるじゃないか!想い出があるじゃないか!




シキちゃんが───いるじゃないか───。




「先輩───僕、あの子を愛してます。誰よりも───。写真よりも、大切です───」




その瞬間、時計の針が止まった気がした。




そう感じた瞬間、バチンっ!!!と言う大きな音と共に、僕の身体は今までに経験した事がないほどの衝撃に襲われた。




背中が痛い。




ヒザが面白いほど笑い、僕の身体は抵抗のしようもなく、呆気なく崩れ落ちた。




呼吸も満足に出来ない。何これ?顔と地面の隙間がわずか5センチ、ギリギリ何とか持ち応える。