彼女ノ写真

「少年だって、写真を取ってるのは楽しんでしょ?だったらもう、写真家って事じゃん。今更、目指すとか、なりたいとか、思ってないでしょ?」




自分の事に置き換えて、初めてピンと来た。




そうか、そう言う事か。




僕は例え、プロになれなくても、自分の写真が誰かに認められる事がなくても、写真を撮り続けるだろう。




好きだから。




僕にとっての写真がマキ先輩のように、それが生きている事だとか、生きるためにはそうし続けなければならないとか、そう言った重厚な存在ではないけれど、それでもやっぱり、写真を撮り続けるだろう。




好きだから────。




そんな大切なものを、あって当たり前のものを、目指すだとか、なりたいだとか、描くだとか、ずいぶんと失礼な話だな。自分自身に対しても、侮辱している。