マキ先輩と二人、一人でも持てる折りたたみテーブルを先輩に導かれるように運んでいると、ふと気になる事があった。




「あの、先輩。何処に片付けるんですか、これ?」



「田中さんには、話を通してあるから大丈夫よ!」



「用務員さんに話とは、、、?」



「用務員室の裏手に用具入れあるでしょ?あそこ、農具とか石灰とか、何か色んな物が入ってるのよ。

そこにね、田中さんのご好意で、スペース作ってもらったの。ま、言い方を間違えれば、焼き芋で買収したんだけど」




は?何を言ってんだ、この人、、、いや、いーんだ。だって、この人だし。




「ってか、そんな事、バラさないで下さいよ!僕も共犯じゃないですか?!」



「あははははは~君も今日から、前科持ちだーっ!って、学校限定だけどね。あ、前科を持つのは、学校限定にしとけよ?あははははっ!」




ホント、何だかな~この人は。思わず、笑みが零れる。




サビ付いて、泥まみれになった心が、強制的に磨かれ、洗われ、痛々しいくらいに復元されて行く。




この人間性には、今の僕がどう頑張ったって、勝てる気がしない。そう、マキ先輩に抱く尊敬の念は、畏怖にも近い。