彼女ノ写真

やっぱり、何処までも写真の事が気になり、シキちゃんの真っ直ぐな目を見る自信が無い。




気にしすぎだと言う事は、僕だって分かっているんだ。でも、やっぱりあの写真を今現在、持っていないと言う事実が、どうしようもなく心を締め付ける。激しく、痛いくらいに。




スモウの横綱が利き手で、僕の心を鷲掴みにし、握り続けたままいつまでも離さない感じだ。




感覚的には、始めて彼女を見たあの日の状況に近いかもしれない。




まったく意味合いは違うし、あの日僕の心を締め付けていたのは、女神の手の平だったのだけど。感覚だけは、近い。