彼女ノ写真

でも、それはあくまで自分自身の事で、先輩達や二宮さん、ハル先生の為だったら、ほんの少し態度を変えてくる。




その態度の変化は、あまりにも微々たる物だから、こちらがくみ取ってやる必要が多大にあるのだけど、そんな不器用な態度こそが、彼女を彼女として、より強く存在させる様に思える。




猫撫で声と言う名の、女の子特有の暴力的威力を発揮するスキルを、もしも彼女が持ち合わせていたならば───彼女を構成する原子や分子が、ほんの僅かでもそれを持ち合わせていたのならば───僕は彼女に、惹かれただろうか?




僕は彼女に、出会う事が出来ただろうか?




そして彼女は、この世の中に存在していただろうか?