彼女ノ写真

「どした?ギー?大丈夫か?」



「んあ、大丈夫。ちょっとムセただけ。かなりヤバかったけど」



「ヤバいって何がよ?」



「人間マーライオンになるトコだった───」



「そりゃ~シンガポールに行かなくていーね~風流だね~水芸ですかぁ。

たぁだ、そんな事して俺に掛けやがったら、三日はお前と距離を置くけどな」



「はぁ?三日もかよー?!なんだよ、ひでーなぁ。

拭けば済むって!何なら、トイレットペーパーで、全身グルグル巻きにしよ~ぜ?」



「ミイラ男か~憧れたな~子供の頃。

もちろん、包帯取った後の透明なお姿にだけど。ってお前、牛乳飲んでたじゃねーかよ?!

んなもん掛かったら、俺の制服から、漂うエレガントな香りが、バッドスメルになっちゃうよ!

ってか、エレガントな香りって何だよ?!バラか?コスモスか?!ラフレシアかーっ?!!」



「───坂口~お前激しいよ。それに、ラフレシア臭はヤベーって。

あと、包帯取ったお姿は、男の夢だよ!バカ野郎っ!!」



「───だよな~。いろいろ見放題だもんな~あんな物もこんな物も。おおっ!」



「っ!あははははは~お前、何、今、妄想してんだよ?!あははははっ!!!」




僕の笑い声と共に、他のみんなも話に乗ってくる。生まれたばかりのバカ話が膨らむ。