ｆｕｌｌ ｍｏｏｎ

席に戻りみんなに先に帰ることを告げ店を出た。





駅までの道を歩いていると、後ろから名前を呼ばれた。







「ユウ待って！」





甘い香り。





「ユウキ。どうしたの？」



「駅まで行くんでしょ？送るよ。」



「大丈夫だよ。すぐそこだし。」



「こんな時間に一人で歩いてたら危ないじゃん。」



「ありがとう。でも本当に一人で大丈夫だから。」



「てか心配だから送らして。」





無理やり手を捕み歩きだすユウキ。





そのまま流され手を繋いだまま歩く。





「ユウの手冷たっ！」


「ユウキの手はあったかいね。」





繋いだ掌からユウキのぬくもりを感じ少しずつ暖まっていく自分の掌。







駅に着くまでの短い道のりをユウキと寄り添い歩いた。