full moon

気づくといつのまにかユウキと手を繋いでいた。




ユウキの大きな手が優しく私の手を包んでいた。






「ユウキ…ありがとう。」



聞こえないくらいの小さな声で言ったのに、ユウキはちゃんと聞き取ってくれた。



何も言わず微笑んでくれた。





ユウキの優しさに頬を涙がつたう。



もう涙なんて出ないと思っていたのに。




ユウキの優しさにいつも助けられていた。





「そろそろ帰ろ。」


行きと同じようにユウキにしっかりつかまった。




でも少し前とは何かが違ってた。




私の中でユウキの存在が大切なものに変わっていた。