私が叫ぶと1人の少年が振り返った。


背が高くて、青と緑のストライプのマフラーをして、髪がちょっと長めの学ランを着た少年。


「かおり……?」


私を見るなりニコッと笑って近くに歩み寄って来た。


「友也、今日受験でしょ?これお守りだから。」

私は友也に机の上にあった紙袋の中にあるお守りを渡した。

「おう、ありがとな。つーかお前鼻の頭とほっぺが真っ赤だぞ。コートもマフラーもしてねーじゃんか。」

そう言って友也は私の頬にカイロを押し当てた。


「手袋もしてないし、スカートも短すぎ。まぁスカートはいっか。」


友也はカイロを私に握らせてスカートをニヤニヤしながら見てきた。


「変態。」


私はカイロを友也に突き返した。