クッキーを頬ばる彼らを眺めながら、心の中で「天使の座はもらった」とつぶやく。

思わず、口元もにやけてしまう。

そんなとき、幸せ者の篤紀と元天使の笹野京香が、なぜかふたりで控え室に入ってきた。

「はよ」

「おはよう、みんな」

ふたりは会話をやめて、中にいるあたしたちに挨拶をする。

「……」

なんで一緒に出勤してくるの?

いら立つあたしの表情に気づいてか、篤紀は首をポリポリかきながら、「さっき、そこでばったり会ったんだ」とみんなに話し出した。

「篤紀も食べる?」

ムカつきながらも、クッキーを差し出した。けれど、彼は「飯食ってきたから、いまはいい」と軽く拒否。