「わかってるわよ!!」

あたしはイライラして、ガンッとテーブルを蹴った。

「いっ……!!」

篤紀は足をおさえて、うずくまる。

どうやら、動いたテーブルの足が、腫れた部分に当たったみたい。

ふんっ、ざまーみろ。

さっさと準備を済ませたあたしは、痛がる篤紀を放って、部屋を出た。

「なんなの、あの女。まるで篤紀のことを……」

通路を歩きながら、ひとりでブツクサ文句を言うあたし。

「……」

自分の言葉に驚き、思わず立ち止まってしまった。

「もしかして、あの女……」