ティアラ2

あたしも嫌だったもん。この前、竹下くんたちの話をきいたとき、身が引きちぎれそうなくらいイライラした。

透吾の場合はTVだし……その彼女さん、すごく腹が立ったんだと思う。

「まぁ、悪いのはぜんぶ俺。美和への交渉とか林田エリカの騒ぎなんてなくても、いつかはこうなってたよ」
不安にさせてた俺のせい。そう言って、透吾は明るく笑う。

「……」
「暗くなんなって」
ぽんぽんと頭を撫でられた。黙り込むあたしの頭を、ボールみたいに扱う彼。

「……もういいの?」
「何が?」
「その彼女のこと……」

話を聞いていて思った。言い方は過去形だけど、透吾はまだその子が好きなんだって。