そう言って彼は話してくれた。彼女との始まりから、別れるまでのことを。
「親父とその子の父親が親友でさ、幼いときはよく遊んだ。でも付き合ったのは、去年」
色鮮やかな花火をぼんやり眺めて、穏やかな口調。
「学生んときに何度か告白はされてたんだけど、俺も遊びたかったしさ……下手に手は出せなかったわけ。親が絡むと面倒いじゃん?」
思い出すらも愛おしそうに話す、彼。……それだけ好きってことなのかな。
「でも、向こうへ行ってるあいだ、不思議と思い出すのはその子のことだった。ああ……俺ってあの子のこと好きなんだな、って他人事みたいに自分の気持ちに気づいた」
照れくさそうに笑う姿。
話を聞きながら、あたしは初めて見る彼の表情を「可愛らしい」と思った。
「親父とその子の父親が親友でさ、幼いときはよく遊んだ。でも付き合ったのは、去年」
色鮮やかな花火をぼんやり眺めて、穏やかな口調。
「学生んときに何度か告白はされてたんだけど、俺も遊びたかったしさ……下手に手は出せなかったわけ。親が絡むと面倒いじゃん?」
思い出すらも愛おしそうに話す、彼。……それだけ好きってことなのかな。
「でも、向こうへ行ってるあいだ、不思議と思い出すのはその子のことだった。ああ……俺ってあの子のこと好きなんだな、って他人事みたいに自分の気持ちに気づいた」
照れくさそうに笑う姿。
話を聞きながら、あたしは初めて見る彼の表情を「可愛らしい」と思った。



