ちゃんと好きだってことを教えてくれていたの。そう、あたしはいつだって、篤紀のいちばんだった。 あのときも……。 「住む場所は、お前んちの近くでもいいかなって思ってるんだ。……誰かさんは美容のために早く帰っちゃうからな」 弥生ちゃんの存在が気になっていることを、篤紀はちゃんと理解してくれていた。 ばかだ、あたし。 別れてから気づいたって遅いよ。 ……ほんとばかだ。 「ちょっとそんなとこで寝てないで……暇なんだったら、モカの散歩に行ってちょうだい」 「…………」