ティアラ2

篤紀の姿が見えなくなった瞬間、目の前が真っ暗になった。

「…………」
嘘でしょ? 別れるなんて。
「……」
だってあたしたち、ずっと一緒にいて、喧嘩もたくさんするけれど、絶対に別れないって思ってたのに。

……嘘でしょ?

冗談であってほしいと願いながらも、あたしは以前、彼が言った言葉を思い出していた。

“本当とか嘘なんてものはねぇよ。別れるっていったら、別れるんだ。ちゃんと考えてから物を言え”

まだ付き合って間もない頃、軽はずみで別れを切り出したあたしに、篤紀はそう言っていた。