ティアラ2

「後悔すればいいのよ」
……でかくなってやる。
「あんたみたいなろくでなし、こっちから願い下げよ」
あとで泣けばいい。泣いて謝ってきても、あたしは簡単に許さないわよ。……絶対に後悔させてやる。

ふたりをきつく睨んだ。いまの悔しさを全部、この目に込めて。

場がシーンと静まり返った。聞こえてくるのは、道路を走っている車の音だけ。
笹野京香が会話に入ることもなく、あたしたちは互いに顔を睨みながら、緊迫した空気を放っている。

しばらくして、ずっと黙っていた篤紀はあたしから目を離し、ゆっくりと口を開いた。

「別れよう」