「百瀬さん、待って!」
……しつこい女。
「なんですか?」
外まで追いかけてきた彼女を、きつく睨み付ける。
「……これ、百瀬さんの」
手渡された、薄い緑の封筒。のり付けされていて中が見えないから、あたしはブスッとした表情のまま、切り取り線に手をつける。
「明細書よ、先月の」
そう付け足してくる、彼女。そのひと言で、あたしは封筒を破らずに、それをそっと鞄の中に入れた。
「……体は大丈夫?」
「ええ」
わざとらしい質問。「体調不良」が嘘だってこと、わかってるはずなのに。
返事をしながら、あたしは思い出していた。最後に出勤したあの日のことを。
……しつこい女。
「なんですか?」
外まで追いかけてきた彼女を、きつく睨み付ける。
「……これ、百瀬さんの」
手渡された、薄い緑の封筒。のり付けされていて中が見えないから、あたしはブスッとした表情のまま、切り取り線に手をつける。
「明細書よ、先月の」
そう付け足してくる、彼女。そのひと言で、あたしは封筒を破らずに、それをそっと鞄の中に入れた。
「……体は大丈夫?」
「ええ」
わざとらしい質問。「体調不良」が嘘だってこと、わかってるはずなのに。
返事をしながら、あたしは思い出していた。最後に出勤したあの日のことを。



