「やぁね、この子」
透吾がうちに来たときのことを振り返っていたあたしのそばで、お母さんが怪訝な声でつぶやく。ハッと我にかえったあたしは、お母さんの視線をたどり、テレビを見た。
炭酸飲料のCM。海辺ではしゃぐ林田エリカの姿が目に映る。
「なんでもかんでも話題にして、売れようって魂胆なのよ。性格の悪さが顔に出てるわ!」
「……」
こないだは美空とふたりで、この子の肩を持っていたはずなのに。お母さんたら、ほんと調子がいいんだから。
「もう寝るね」
「あぁ、おやすみ」
まだ、これが現実だと思えなかった。お母さんはああ言ってるけれど、画面いっぱいに映る彼女の姿は綺麗で……笑顔も天使みたいで。
あたしらしくないのかもしれないけれど、負けている気がしたんだ。
透吾がうちに来たときのことを振り返っていたあたしのそばで、お母さんが怪訝な声でつぶやく。ハッと我にかえったあたしは、お母さんの視線をたどり、テレビを見た。
炭酸飲料のCM。海辺ではしゃぐ林田エリカの姿が目に映る。
「なんでもかんでも話題にして、売れようって魂胆なのよ。性格の悪さが顔に出てるわ!」
「……」
こないだは美空とふたりで、この子の肩を持っていたはずなのに。お母さんたら、ほんと調子がいいんだから。
「もう寝るね」
「あぁ、おやすみ」
まだ、これが現実だと思えなかった。お母さんはああ言ってるけれど、画面いっぱいに映る彼女の姿は綺麗で……笑顔も天使みたいで。
あたしらしくないのかもしれないけれど、負けている気がしたんだ。



