「……何よ」

別に、自分の言葉に後悔なんてしてないし。あいつが勝手に待ってたんだから、あたしは悪くない。

「ていうか、待たなくていいし」

機嫌をとりにきたのかもしれないけど、こっちは簡単に許すつもりもない。

「……反省すらしてなかったしね」

どっちにしろ、同じ結果になっていただろう。

「あたしは絶対に謝らない」

だって悪くないもん。悪いのは篤紀だし。

そもそも、嫌がらせをしていたあの女が悪いのよ。なのに、篤紀はあの子の肩を持った。

疲れてるはずなのに、わざわざうちにきて、1時間も待っててくれてたんだ。

一瞬だけそう思い、悪いことをしたなぁって考えたけれど……。

「あたしは悪くない」

何度もつぶやいて、後ろめたさをなくしていく。

だって……あたしはいっぱい嫌な思いをしたんだもん。