“醜い。……醜いよ、いまのお前”

言われた台詞を思い出した。薄らいでいた怒りが、また沸々と込み上げてくる。

「あたし、許さないから」

自分の言動をきちんと反省するまで。

「……絶対、許さない」

泣いて土下座してきても、簡単になかったことにはしないから。

あの女をかばったことや、あたしに醜いと言ったこと。

話も聞かずに、店から追い出そうとしたことも……。

紙袋を取り返して、家の門を開く。すると、黙ってあたしを睨んでいた彼はこう言った。

「他の男と遊びたいなら、ちゃんと別れてからにしろよ」

目を向けると、篤紀は無表情で……。

偉そうな口ぶりにうんざりした。

「……了解」

誤解をとく気にもなれない。