「……バイトをサボって、買い物か?」

紙袋の中からあたしの顔へと、視線を移す彼。眼鏡の奥の、鋭い目が少し怖い。

けれどあたしは、その言葉にも苛立った。だから、同じように睨み返して……。

「関係ないって言ってるでしょ?」

挑発するかのようにあごを前へつき出す。

喧嘩上等!

自分が言ったことも忘れて、ただのサボりにするなんてムカつくし!

なんでそんな言い方されなきゃなんないわけ!? 辞めろって言ってきたのは、そっちじゃない!

「辞めてほしいんでしょ? だから帰ったの。あたしがいたら、あの女と仲良くできないもんね?」

あたしよりもあの女をかばった、篤紀。何を言っても、全然聞いてくれなかった。