ティアラ2

それにしても、大人っぽいお店。そういえば、透吾って……。

「はい、どーぞ」

考えごとをしていたら、さっきの人がウーロン茶を持ってきてくれた。

ペコリと頭を下げると、店員さんはまじまじとあたしを見る。

「モデルさん?」

にっこりと、爽やかに微笑まれた。

……何、この人。

「ち、違います」

この人……。

「え、違うの? キレーだから、てっきりモデルかなぁって思ったんだけど」

この人、めちゃくちゃ感じがいいじゃない!!

「なんだ、違うのかぁ」とつぶやく店員さんに背を向けて、にんまり。

透吾と親しげだったから、てっきりやな奴かと思ってたけど……この人は見る目あるみたい。

沈みかけていた気分が、一瞬で晴れやかになった。

「透吾とは親しいんですか? てかあの人、何歳?」

ウーロン茶を飲みながら、さっき気になっていたことを訊ねてみた。

若いとは思うけど、住んでるとこや乗っている車、通っている店などを見たら、本当はすっごく年上なんじゃ……と思ってしまうんだ。