「何なの、いったい」
送るって言ったくせに、服を着替えさせて、こんな店にまで連れてくるなんて。
何が「お気に入り」よ。こんなの誘拐じゃない。
ぶつぶつ文句を言いながら、透吾の後ろ姿をにらむ。すると、そばにいた店員さんは「ごゆっくり」と微笑んで、奥に戻っていった。
鞄の中から携帯電話を出す。画面の右上を見て、いまは何時なのか確かめた。
「もう7時か」
本当なら、いまごろTAMAKIで働いていたはずだった。
いきなり帰ったから、店長……怒ってるよね。
辞めると決めたのだから、店の人にどう思われようが、別にもう……どうでもいいんだけれど。
こんな格好をして、こんな店にいると、後ろめたさでいっぱいになる。
送るって言ったくせに、服を着替えさせて、こんな店にまで連れてくるなんて。
何が「お気に入り」よ。こんなの誘拐じゃない。
ぶつぶつ文句を言いながら、透吾の後ろ姿をにらむ。すると、そばにいた店員さんは「ごゆっくり」と微笑んで、奥に戻っていった。
鞄の中から携帯電話を出す。画面の右上を見て、いまは何時なのか確かめた。
「もう7時か」
本当なら、いまごろTAMAKIで働いていたはずだった。
いきなり帰ったから、店長……怒ってるよね。
辞めると決めたのだから、店の人にどう思われようが、別にもう……どうでもいいんだけれど。
こんな格好をして、こんな店にいると、後ろめたさでいっぱいになる。



