すると、透吾は何かの呪文を唱えるかのように言葉を並べてきた。
「ドットのワンピース5万8千円、白のサンダル3万6千円。花のコサージュは……いくらだったかな?」
ピタリと手が止まってしまう。
顔をあげると、彼は財布に入れたレシートをもう一度出して、値段を見ようとしている。
「あ、サンダルは3万8千円だった。んで、コサー……」
「ぶ、分割で払います」
財布を探すのをやめる、あたし。だって、いまは6千円しか持ってないもの。
青ざめた表情で、おとなしく助手席に腰かけた。
すると、透吾はククッと小さく笑い、車を走らせる。
「洗って、返してくれればいいよ」
「……!」
見下すような言い方にムッとした。
「ちゃんと払います! バカにしないでよ。バイト代だってもうすぐ入るし、それくらい……」
「あ、やっぱり気に入ってるんだ? そのワンピース」
「ドットのワンピース5万8千円、白のサンダル3万6千円。花のコサージュは……いくらだったかな?」
ピタリと手が止まってしまう。
顔をあげると、彼は財布に入れたレシートをもう一度出して、値段を見ようとしている。
「あ、サンダルは3万8千円だった。んで、コサー……」
「ぶ、分割で払います」
財布を探すのをやめる、あたし。だって、いまは6千円しか持ってないもの。
青ざめた表情で、おとなしく助手席に腰かけた。
すると、透吾はククッと小さく笑い、車を走らせる。
「洗って、返してくれればいいよ」
「……!」
見下すような言い方にムッとした。
「ちゃんと払います! バカにしないでよ。バイト代だってもうすぐ入るし、それくらい……」
「あ、やっぱり気に入ってるんだ? そのワンピース」



