ティアラ2

そして気がつくと、あたしは渡された服を手に、試着室の中にいた。

白い水玉模様がプリントされた、水色のシフォンワンピ。フロントに並んだウッドボタンも可愛くて……。

どこかの店で売っていれば、自分でも手にしていただろうなって思うものだった。

洋服を見つめるあたしは、迷いながらもハンガーを抜く。袖に腕を通したとき、扉の向こうから透吾の声がした。

「なに渡したの?」

「あぁ、これと色違いのワンピース。あとこれも……」

さっきの女性と話しているみたい。着る服を見に来たのかな?

「いや、クロップドパンツなんていらないっしょ」

「あ、そう?」

確かに、このワンピなら……はかない方がいいかも。

あたしは困惑しつつも、ふたりの会話を聞きながら、クルッとまわってパンツをはいた姿を想像する。