ティアラ2

「了解」と返事したその女性は、あたしの前に来て「こっちへきて」と背中を押してくる。

「ちょ……ちょっと」

奥へと連行されるあたしは、後ろを向いて透吾に説明を求めた。

けれど、彼はあたしの声に耳を傾けることもなく、手前にある椅子に腰かけて、肩に手を置き、疲れたというかのようにため息をついている。

いやいやいや、どういうこと?

まったくわからないんだけど……。

「これなんてどうかな?」

鏡の前に立たされるあたしは、されるがままで……。

「やっぱりこっちかな?」

独り言をつぶやきながら服を合わせてくる女性を、チラッチラッと横目で見る。