ティアラ2

「こ、こらっ……危ないって」

「離しなさいよ! 警察呼ぶわよ警察!」

透吾は運転しながら、逃げ出そうとするあたしの腕を掴んでくる。

たまらず、あたしは膝の上に置いていた携帯電話で、通報しようと考えた。

「ちょ、やめろって! かけるな!」

慌てて止めに入る、透吾。

車は道路をぐらぐら揺れながら走っていて……。

や、やだ……お父さんお母さんっ、助けて!

「あたし、脱ぎたくなーい!」

届くわけないけれど、思い浮かべた親へ叫ぶように声を張り上げた。すると、透吾もまた泣きそうな表情で……。

「だから、どんな人間だと思ってんだあ!?」