「やっぱ関わらないほうがよさそう」
戻ってくるまえに帰ろう。そう思ったとき、車のクラクションが鳴った。
「……チッ」
いつもの赤い車に乗った透吾が、親指を立てて「乗れ」と合図する。
逃げ遅れたあたしは、仕方なく彼のもとへとぼとぼ歩く。
「絶対、送ってよ! 通報する準備はできてるんだから!」
「はいはい」
乗り込む前に、携帯を見せた。
画面に並べた「110」という数字を見て、彼は呆れた表情をする。
左バンドル、どんだけ金持ちよ。
「売り飛ばさないでよ?」
乗ってからも、離れて座る。いつでも通報できるよう、携帯を握りしめた状態で。
戻ってくるまえに帰ろう。そう思ったとき、車のクラクションが鳴った。
「……チッ」
いつもの赤い車に乗った透吾が、親指を立てて「乗れ」と合図する。
逃げ遅れたあたしは、仕方なく彼のもとへとぼとぼ歩く。
「絶対、送ってよ! 通報する準備はできてるんだから!」
「はいはい」
乗り込む前に、携帯を見せた。
画面に並べた「110」という数字を見て、彼は呆れた表情をする。
左バンドル、どんだけ金持ちよ。
「売り飛ばさないでよ?」
乗ってからも、離れて座る。いつでも通報できるよう、携帯を握りしめた状態で。



