い……嫌味ったらしい!

「~~~っ」

去っていく透吾。傘をクルクル回す仕草が、バカにしているようでムカつく!


そして、数分後。

「……マジで?」

あたしは空へと高くそびえたつ高級マンションの前にいた。

「ちょっとここで待ってて。これだけ置いてくるから」

「あ、はい」

買ったものを置きに、いったん家に戻る彼。

マンションの入り口で待つことになったあたしは、思わず敬語で返事をしてしまう。だって……。

「いくらすんのよ」

これって賃貸? ……分譲だよね。

さっき、一人暮らししてるって言ってたから、てっきり小さなマンションだと思ってたのに。

「芸能人みたい」

階数は30くらいあるはず。

外観も立派だし、広々とした庭の中央には大きな噴水。縁にはいっぱいライトが設置されている。