「京香……」

「無理してないか?」

まだ心配する、竹下くんと沢木くん。

すると彼女は、顔を覗きこむ彼らににっこり微笑んでから、あたしを見た。


「あたしなんかのせいで……嫌な思いをさせてごめんなさい」

ペコッと頭を下げられ、キレそうだったあたしは渋々、怒りをこらえる。

そして彼女はその言葉のあと、こう言ったんだ。

「みんな、百瀬さんを疑わないで。百瀬さんはアッキーの彼女なんだよ? ……あたし、この中に犯人はいないって信じる」

まるで、舞台の上にいるかのような身ぶり。彼女はくるりと優雅に全員を見回し、傷ついていないふりをする。

「みんな、いい人だもん。……百瀬さんとの付き合いは浅いけど、きっとこんなことをする人じゃないと思うの」

語りながら、彼女はてくてくあたしの前に来た。