きょとんとした顔で振り返る彼に、にこりと微笑む。

「まぁ、ひねくれ者のあんたと仲良くできるのは、小学生とあたしくらいなんじゃない?」

いいよ、これからもこんなデートで。そう心の中で囁いた。

通じたのか、篤紀もフッと口もとを緩め、転がしているボールを拾った。

「ばっか。同い年の友達くらいいるって」

「どーだか。友達だと思ってるのは、あんただけなんじゃない?」

「ひっでぇ」

また隣に腰かける彼と、冗談の言い合い。

……嬉しかったんだ。知らない話をしてくれたことも、なんだかんだ言いながらも気遣ってくれたことも。


「もうとっていいかな?」

鼻に詰めているティッシュが気持ち悪い。恐る恐る引き抜きながら、つぶやく。