「ええー、突然のお知らせだが、
ウチのクラスに転校生がきた!」
あ。
なんだこの偶然。
おかしいだろう。
私は思わず自分の耳を疑う。
こんな偶然ってきっと、一生のうちに一回だろう。
「コンチワー、大瀬卓也っていいます。」
ガラガラとドアを開けて入ってくる男。
長身、黒髪。メガネ。
一見真面目。良く見れば、腰パン、第一ボタンも開いている。
なーんだ、ただのそこらへんの高校生と変わらない。
「結構イケメンじゃね?」
ざわめく教室。おもに女子。
まあたしかに女の子が好きそうなタイプ。
終始笑みを浮かべているその男。
簡単な自己紹介。隣の県から引っ越してきたらしい。
「席はー…、葛城の前でいいだろう。
一番窓側の三列目だ。」
「はーい。」
女の子の視線と、大瀬という男の視線が突き刺さる。
