見事に、振られました。

 もぞもぞ動いて、体をタケに向けた。

 見下ろしてきたタケは大人だった。

 ああ、そうか。

 タケももうすぐ成人なんだっけ。

 大人になっちゃうんだっけ。

 大人ってイヤだね。

 だって私、まだ子供だもん。

 こうやってコタツにもぐりこみたいし、駄々をこねていたいし、誰かに愛されていたいし、甘えていたいし。

 『したい』『されたい』ばっかりだよ。

 願望ばっかりだ。

 会いたい、話したい、メールしたい。

 彼に押しつけてばっかだった。

 だって好きなんだもん。

 ずっとつながっていたかった。

 友達と遊ぶなら、私と遊んでほしい。

 友達と電話するならメールするなら、私にしてほしかった。

 私、全然ダメじゃん。

 『してほしい』って願ってばっかじゃん。

 大人じゃないじゃん。

 ガキんちょじゃん。

 体と年だけが大人になって、考えとか子供のままで。

 大人にはいつなれるだろう。

 『してあげたい』って思えるかな。

 そう思えるようになったら、それは素敵なことかもしれない。