「リカちゃん……」


「ん、どうしたの?」


杏仁豆腐を口に含んで、隣のリカちゃんに聞いてみた。


甘くてプルプルッと口の中で踊っている杏仁豆腐を味わいながらも……

視線は“ある人物”をしっかり捕えている。



「“いっくん” 何か変じゃない?」


「前田くん?」


なんだか“ボーッ”としていて、いつものいっくんらしくない。


こんな楽しい旅行だよ?


何を考える必要があるのか、あたしには“全く”理解出来ない。



「まおちゃんは前田くん、よき見ているんだね?」


「なっ…… 違うよ! ただ、席が近いのにいっくんが話しかけてこないのが、おかしいなーって思っただけ」


これに嘘、偽りは無いんだからね。


本当だよ!


「はいはい。 わかったから」


必死になって反論するあたしを見て笑うなんて…… ひどすぎる!


リカちゃんのイジワルっっ!