ガバッと、勢いよく布団を剥がし、飛び起きた。


……… やっぱり、狸だっかよ。


つーことは。


「どこから聞いていたんだよ」


「…… 最初から」


だよな。 まおが来た時に陽太の布団が動いたような気がしたんだよな。


まおと話している最中だって、何度か動いていたしな。


陽太と向かい合うように、俺はベットに腰掛けた。



「樹、まおちゃんと仲良さそうに話していたじゃん」


「別に…… あれくらい普通だし」


あー、でも。 まおが俺の肩に頭を置いてきたか。

あれは可愛かったな。


陽太は背中を向けていたから分からなかったはずだ。


「なあ、樹。 まおちゃんをどうして抱きしめてやらなかっんだ？」


「…… 言わない」


言えるわけねーだろっ！


実際は、ドアの前でまおを抱きしめてやったなんて。