……… うっわー、なんだか考えるだけで虚しくなる。


まおのペースに合わせるとは思ったが…… 俺が合わせられねーよ。


なんだか俺が先に進んでしまいそうだ。


「はぁー」


「樹、ため息を出すと“幸せ”が逃げるぞ」


幸せ…… んなもん。


「まおがいたら幸せだっての」


まおがいるなら俺は幸せなんだよっ。


泣いたりしたって……


「いっくん!」


そうやって、俺の名前を呼んでくれるだけでいい。


まおの大きな瞳に俺が映っているならそれでいいんだ。



「んで…… 愛川」


「なーにー」


陽太と“いまだに”楽しそうにしているのがムカつく。 こいつら俺にわざと見せているに違いないよな?


今度、まおとでも手。 繋いでみるか?


でもなー。 「いやっ」なんて言われると俺……。