だってすごく不安だったから。
日に日に……。
ひぃ君が離れていくようで。
ねぇ。
離れて行ってるって感じてるのは、気のせいだよね?
「ひぃ君……あたし」
ひぃ君の事ずっと見てた。
ひぃ君の事ずっと……。
ひぃ君の顔を見る為に顔を上げた時だった。
あたしはリビングの扉からあたし達を見ているのん君が目に止まった目を見開いた。
「のん君!」
あたしが咄嗟に名前を呼んで、それに気付いたひぃ君とあたしはお互いに離れた。
わーーーー!
わーーーーーー!!
どうしよう!?
見られてたかな。
見られてたよね!?
「お、起きたの!?う、う、うるさかった!?」
あたしは誤魔化すように必死で口を動かすけど、噛みまくり。
こんなんじゃ、動揺してるのバレバレじゃん!!
すると少しボーっとしているのん君は、小さく呟く。
「のど……渇いたから」
「そ、そうだったんだ!!じゃぁ早く飲まないとね!!」
あたしは大袈裟なくらいに大きな声で言った。
するとひぃ君はフッと笑いながらのん君の方に振り返った。
「お前、莉子んちで眠ってて。ここまで莉子が運んでくれたんだぞ?」
そう言われてあたしはあはは……って笑いながらのん君を見た。
すると一瞬間が空いてからのん君は口を開いた。
「そうだったんだ。……ありがと」
「んーん!!」
あたしは恥ずかしさと動揺で赤くなった顔でブンブンと横に首を振った。
するとひぃ君はあたしを見下ろして微笑んだ。
「莉子ありがとな。もう遅いしそろそろ帰った方がいいんじゃない?」
「うん!!」
あたしは大きく首を縦に振って、頷くと足早にリビングの扉の方に向かった。

