本当は、別れたくなかった…



その笑顔を、その温もりをずっと隣で見守っていたかった…



それでも出来なかった…
優子の身体を見ると、香里奈への気持ちを消すことしか出来なかった…




そんな自分が悔しかった…


その手を離さなくてすむくらい俺がもう少し大人だったら…




あの夜、俺は香里奈に何度も何度も、「愛してる…」って言った…



香里奈は、泣いてた…
俺がいくら涙を拭いても
その瞳から溢れる雫を止めてあげられることが出来なかった…