「確かに変わってるね。あたしも今度からそうしようかな」
 
彩世は、砂糖を掴む咲の指の動きを思い描いた。

「彩世さんはしないの?」
 
想像の中で楽しんでいたので、一瞬何のことか分からなかった。
 
それを誤魔化すためにニッコリと微笑むと、咲は黙った。

「どうぞ」

『心を込めていれた、ハルシオン入りの紅茶です。』心の中で続けた。

「ありがとう」

「いいえ、ゆっくり飲んで。」
 




そして安らかに眠りについてくれればいい。