二月一日。
 
彩人の高揚感が伝わってきた。

ライブに向けての心地よい緊張感と興奮が彩世の血までをたぎらせていた。

彩世はコントロール不能のその感覚を満足させるために地下室にいた。

ガラスのテーブルに切断された手を置き、その血の気のない美しさを愛でていた。

ガラスのテーブルは、これから集めてゆく手に装飾を施す場所として、彩世が選んだものだ。