白い鼓動灰色の微熱

 これ以上戦いを続けたところで、いずれは父に負けるのだ。

 いつもそうだ。

 そうやって、カブトムシも。

ひよこも猫も、殺してきた。

 ひよこや猫は、父の見ている前で、体をバラバラに切り刻まされた。

だから、母が死んだときも、その手首を切り落とすことに、何のためらいも感じなくなっていた。

左手のない母に気付いた父は、じっと彩世を見たが、何も言わなかった。

何事もなかったことにして、そのまま母を火葬させた。

自分が彩世を化けモノにしてしまったことに、父はそのとき気付いたのだ。