子供ゆえの純粋な好奇心の犠牲になったカエルは、おなかを綺麗に縫い合わせてもらって、元気に跳ねていった。
 
彩人が、泣いて、もと通りにするように、彩世に頼んだからだった。

彩世は糸を通した針をどこからか持ってくると、鮮やかな手つきでカエルの腹を縫い合わせた。
 
まるで、何度も経験があるみたいだった。
 
多分、経験済みなのだろう。

何度も。
 
彩人が怖かったのは、内臓を露出させているカエルの姿じゃなく、解剖をしている彩世の姿だったかも知れない。
 
今はまだ、対象がカエルだ。
 
残酷だが犯罪ではない。
 
でも、いつか、その手はもっと大きな動物を血に染める。

そして行き着く先は