その部屋の重いドアを引きあけると、簡易な狭いベッドに置かれた遺体に三人は目をやった。
 
まだ解剖が行われたないため、床が水浸しにはなっていない。
 
解剖の間、水を流しっぱなしにするため、床が濡れていることが多いのだ。
 
解剖に立ち会った事のある大塚刑事はそのことを良く知っていた。
 
が、ここのところ遺体解剖は行われておらず、床は乾いていた。

それを確認して大塚刑事が豊を招きいれようとした。

そのとたん、いやな音がして、何かが床に流れ落ちた。

大塚刑事にも、それが少しかかった。