目的地までは、終始お互い無言だった。
だけどそれが気まずいとは感じなかった。

「ここ」
「…」

言葉を失った。
そこは、この世の物とは思えなかった。
きれいとか美しいとかそういうレベルじゃない。

「すごい…。きれい!きれいだよ!先生!」
「そうか。そんなに喜んでくれてうれしいよ」
「すごいよ、すごいよ!すごい!」
「…そうか」

先生?
私は先生の方を向いた。

「先生、大丈夫?」
「え?あ、うん。平気」

嘘。