「あなた方にチャンスをさしあげましょうか?」



わざと上からものを言うと案の定、愛香のお父さんは眉間シワを寄せた。



「君、誰にものを言っているか分かってるのかね。」



「もちろんです、おじさん。俺と愛香の婚約破棄と、二階堂の会社にしたことを取り消し、謝罪をしてください。それさえしていただければこちらもそれ相応に対処します。」



笑って言ってやった。



愛香は下を向いたまま何も言わないし、おじさんとおばさんは肩をプルプル震わせている。



怒鳴りたいのを我慢してるんだろう。