赤い瞳の理由

[マリア...なぜ、魔族に銀髪赤目が多いか知っているか?]
俺は、自分の腰まで伸びた魔族特有の銀髪の髪の毛で三つ編みを作ろうと悪戦苦闘しているマリアに問いかけた。
[うーん、わからないなあ。
っていうか、ダークの髪の毛さらさらすぎて結べないんだけど...
髪の毛結ぶのには、結構自信あったのになあ...]
マリアは、その綺麗に三つ編みで結ばれた金髪をくるくると指で回しながら少し残念そうな表情を浮かべてそう呟いた。
[魔族が赤い瞳なのは、神が自分の捨てた負の感情、つまりカオス様を聖界に入れないようにした結果らしい。赤い瞳では、聖界の強い光や太陽を直視できないからな。
それと銀色の髪は、月の光を吸収しやすくするためらしい。]
俺がそう説明すると、マリアは少し悲しげな表情を浮かべた。
俺には今の話に何故、悲しげな表情を浮かべられるかがわからなかったのでマリアを抱きしめて聞いてみた。
[どうして、そんな顔をするんだ?マリアがそんな顔すると、俺まで...悲しくなる]
すると、マリアは言った。
[私たちが...祈りを捧げている神のジン様が...あなたたちにそんなことをしていたなんてって思うと...]
たどたどしくマリアに俺は、少し困惑した。いままで数々の聖魔会議に魔王のセツナの代理として出席し、問われ瞳の色の説明をしたことはあったがそんな反応をしたのは、マリアが初めてだった。
[けどさ...太陽が見れないって言っても、俺にはマリアがいる。
俺にとっての太陽は...マリアだ。]
俺は、不器用に結ばれた三つ編みを揺らし、マリアと熱い口付けを交わした。
この数日後には、俺とマリアは神族と魔族に追われることになるとも知らずに...