私はその背後に車を回して停めた


建物はガレージのようだった


彼は注意深くあたりを見回し
車を降りると、

扉の横の機械を操作して扉を開けた


私は中の2台の高級車の間に車を停めた


彼も入ってガレージの扉を閉めた


彼のプライベートガレージのひとつだろうか


私はエンジンを切った


静寂が訪れた


「ふぅーーーーっ」


私はようやく一息ついて
シートにもたれかかって目を閉じた


ドキドキドキドキ…


まだ心臓の鼓動は早いままだ


「ディー、大丈夫?」

彼が心配そうに運転席を覗き込んできた


「ええ。なんとか‥」

ドアを開けて車を降りようとして
ふらついた


彼が私を受け止めた

「ありがとう」


突然、ボロボロと涙があふれ出した

「こ、怖かっ‥」

私はそのまま彼にしがみついて
彼の胸に顔をうずめた


泣き出してしまった私を

「もう大丈夫。大丈夫だから」

彼はそう言って抱きしめた


彼は私が泣き止むまで
やさしく髪をなで続けてくれた


「・・ありがとう」

私は落ち着きを取り戻し
彼の胸から顔を上げた


「取り乱してごめんなさい」

私は彼の顔を見つめた

彼も私を見ていた


そのまま私たちは

唇を重ねた


そうすることがとても自然に思えた