8月も終わる頃、彼の20歳の誕生日パーティに招待された


パーティに出向くなんて何年振りだろう


すっかりそんな生活から離れていた私は、ふさわしい服も靴も持ち合わせていない


でも彼の

「ディー、きっと来てね」

という無邪気な誘いは嬉しかった


鏡の中にいる、ブティックの店員に勧められるがままに購入した新しいドレスとハイヒールに身を包んだ私は、とても奇妙に見えた


(まさに“着られてる”って感じね)

軽くため息をつくと、予約していた美容室へと急いだ


普段ほぼ素顔で過ごす私は、化粧品すらろくに持っていない


どうせ今からあれこれと買い足しても、たいしたメイクも出来はしないのだから手っ取り早くプロに頼んでしまおう、と考えた


美容室は混んでいて、予約していたにもかかわらずかなりの時間待たされた


私は、様々な女達が“狩り”へ向かうために牙を磨き、爪を研ぎ“武装”していく様子を
興味深く眺めて待ち時間を潰した