輝く青空。青い海。吹き抜ける風は心地よい。


「見て!ユーリ君!綺麗な貝殻!」
そう言って僕の手のひらに貝殻をのせた。

「本当だ。なんていう名前でしょうね。ところで梓さん。」
「ん?なあに?」
「冬に海って・・・・体調崩しますよ?」
彼女はそのまま歩き出した。

「いいの。来たかったから。」
ふわりとゆれるやわらかい髪が風で揺れて切ない顔が見えた。
彼女はそのまま話を続けた。

「あのね。私、もうだめかもしれない・・・・。」
「え・・・?」
「だからね、今から好きなことして、好きな所に行って、大好きなユーリ君と一緒にいたいの。それでね・・・・」

その会話をさえぎったのは僕だった。

「そんなこと言わないで下さい!約束したでしょう?僕と結婚してくれるって!」
彼女は驚いた顔をして泣き出してしまった。

「ごめんね・・・・。もう、ダメなの・・・。」

僕はそっと彼女を抱きしめた。