フレテ

「…柚…ごめんな、遅くなって」





「…」






いつもみたいな柚じゃないことくらい


わかっていた


そりゃ、そうだ


俺だって馬鹿だけどわかるんだぜ?







これくらいわかるよ…








もし、俺が来なかったらどうなってたかってこと


落ちている上着もしわしわのYシャツも


この先を物語っていた








…もし来なかったら








「…フレ…」





「え?」




「…フレ…られて…」






柚は小さな声言い、


自分の腕を押さえる